研究課題/領域番号 |
24656522
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
福田 紘大 東海大学, 工学部, 講師 (60401684)
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研究分担者 |
野々村 拓 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 助教 (60547967)
高橋 俊 東海大学, 工学部, 講師 (60553930)
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キーワード | DNS / 高マッハ数 / 混相乱流 / LESモデル |
研究概要 |
本年度は,以下の3つの研究を実施した. 1. 1個の球周りのDNSのための圧縮性流体ソルバーの検証,単一固体/液滴周りの高マッハ数流れ解析の実施 2. 複数の球周りのDNSのための埋め込み境界法を用いた数値解析法の構築 3. 圧縮性固気混相流のソルバー開発 1.に関しては, 球まわりの超音速流れ解析を行うために,昨年度構築した一様流保持特性を持ったWENO法の解像度の確認を行い, 特異線などでも使用できるように改修し,実際の問題で従来のWENO法に比べエラーの少ない解が得られた.成果は学会で発表しており,論文投稿中である.さらに,単一球周りのDNS解析を行い,問題なく流れ場が解けていることを確認するとともに,レイノルズ数を300に固定してマッハ数を変化させたパラメトリックスタディを実施し,マッハ数による流れ場の変化について基礎的な知見を得た.具体的には,低マッハ数で見られていた渦放出が高マッハ数では抑えられることが分かった.また液滴周りの解析に関しては,昨年度開発した手法が様々な問題で境界面をシャープに保持したまま解析が行えることを確認し,その成果を論文発表した.複数の球周りのDNSのための埋め込み境界法を用いた数値解析法の構築を行った.特に計算効率を上げるために数値粘性を極度に減らした手法に基づくコードを開発し,まずは2次元問題に適用した.低マッハ数から高マッハ数までの静止円柱の解析を行い提案した手法の解像度の高さを確認した.また高マッハ数で自由に動き回る複数円柱の解析を行い,その堅牢性も確認した.本コードに関しては既に3次元化を行っており,今後は検証を行っていく.3.に関しては前年度開発した圧縮性固気混相流ソルバーが粒子密度が少ないところで計算が発散する問題を解決する方法を提案した.本手法により,より実用的な問題で利用できるようになった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の中核となる「1個の球周りのDNS解析のための曲線座標圧縮性流体解析による球周りの流れ場のデータベース化」に関しては,解析コードの検証が終わり,解析結果が出揃い始め様々な知見が得られ始めたところである.また複数の球周りのDNS解析に関してはコード開発がほぼ終わり,今後検証を進めることで実際の解析に移っていきたい.本研究を進める中で,液滴周りの気体流れの解析の重要性を再認識したため,本研究の一部として前年度圧縮性気液2層流の解析コードの開発,高精度化を行ってこれに成功したが,本年度はコードの検証を行って,実問題への適用が可能であることを確認した.最後に固気混相流のソルバー開発に関しては,最終年度の開発項目ではあるが,実問題適用時に問題となる計算の破綻がおきない方法を提案しており,次年度以降スムーズに本解析に移ることができると考えられる.
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今後の研究の推進方策 |
来年度以降は、今年度に引き続き、1個の球周りのDNSのパラメトリックスタディを行い,データベース化を進める.解析コードは完成しており,順調に進むと期待できる.また,複数の球周り用の圧縮性流体解析ソルバーは検証を進めていき,高マッハ数での混相乱流問題の解析につなげていきたい.
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次年度の研究費の使用計画 |
予定していた学会発表を来年度に変更したためであり,成果報告のための旅費を来年度に利用する予定である. 平成26年度の研究費は, データ分析、整理のためのPCや成果発表のための旅費に用いる.
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