研究課題/領域番号 |
24656525
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
浦 環 九州工業大学, 社会ロボット具現化センター, 教授 (60111564)
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研究分担者 |
巻 俊宏 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (50505451)
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キーワード | 熱水地帯 / 熱水発電 / 熱水噴水孔 / 熱電モジュール(TEM) / AUV / ROV / ドッキング / 充電 |
研究概要 |
平成24年度に開発した熱水発電装置システムをベースに、よりコンパクトで伝熱性能の高い構造の発電システムの開発を進めた。ロバストで信頼性の高い発電システム開発のために、さまざま形状の熱電モジュール(TEM)とその組合せによる発電効率についてシミュレーションにより検討を行い、プレート状の形状をした発電部にプレート状の発電モジュール(TEM)を複数枚(開発機では4枚)組み込む事で、熱水口から流れ込む熱エネルギーを直接取り込むことが出来る効果的な発電装置のプロトタイプを開発した。それを、深海の熱水地帯でROVなどにより実際の発電を行うため、大深度仕様の耐圧容器に組み込み、熱水口用の連結部を取り付けた。また、ROVやロボットの充電用海底ステーションからの計測を想定して、発電した電気エネルギーを計測し記録するための計測部と充電するためのバッテリー部を開発した。開発した熱水発電システムは、発電部と計測部はケーブルにより繋がった状態にて発電計測を実施することができる。2013年11月、沖縄トラフの人工熱水地帯において実施された海洋研究開発機構の研究船航海(NT13-23)において、ROV「ハイパードルフィン」に熱水発電システムを搭載して潜航、人工熱水噴出孔に接続部を連結し、ROV側に搭載した計測部/バッテリーにより、発電および計測を実施した。計測結果から、最大100°の発熱、そして4枚のTEMモジュールにより1.7Wの発電が計測された。深海の熱水地帯でTEMを用いたシステムにより発電を計測したのは初めてである。AUVのドッキングのための海底設置型ステーションの開発も並行して行っており、今後は、実用化に向けた取り組み、特に装置のロバスト性を高めて、ケーブルシステムやステーション等の固定型海底プラットフォームに組み込んで、AUVの充電に使うなど新たな展開が期待される。
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