深海の熱水地帯の生態系と環境を広域にわたり長時間観測するには、自律型水中ロボット(AUV)と海底観測ステーションを用いた熱水地帯の長時間・広域自動観測が有効である。観測に必要なエネルギの安定供給のため、熱水環境における熱水と海水の温度差を利用したコンパクトで伝熱性能の高い発電システムのプロトタイプを開発、沖縄トラフの人工熱水地帯において実海域試験を実施した。ROVの潜航中に海底に設置した装置から最大60W,平均45Wの発電が確認され、1時間半で24V17Ahのバッテリーの一部を充電できた。並行して進めているAUVのドッキングステーションへの組み込みを想定したロバストな実用機の開発が期待される。
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