ゼロ熱膨張を示す新しい金属間化合物としてYbGaGeが報告されました。このゼロ熱膨張の原因を理解するために微視的電子状態を核磁気共鳴測定により調べました Yb核での核磁気共鳴スペクトルからは結晶学的に異なる2つのサイトに対応する2種類の信号が観測されました。それぞれの信号での核スピン-格子緩和時間の測定からは、通常の金属的な温度依存性が観測されました。また、Ga核での核磁気共鳴スペクトルからは結晶学的に1つのサイトにも関わらず2種類の信号が観測されました。バンド計算の結果と考え合わせると、Ge核の占有するサイトにGa核が置換された結果、2種類の信号が観測されたものと考えられます。
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