本研究では、毒・劇物を使用しない穏やかな条件下で貴金属を溶解可能で、リサイクル現場で活用できる安全な貴金属溶解技術の開発を目的として、希塩酸にマンガン酸化物を加えた湿式粉砕過程においてAuなどの貴金属が溶解する現象に着目し、その基礎的特性を解明するとともに、廃プリント基板等への適用性を検討した。 その結果、0.5mol/dm3塩酸と二酸化マンガンという温和な条件下でAuとPdを溶解可能であり、その際、多量の塩素ガスは発生せず安全なことが確認された。一方、Ptの溶解には適用できず、基板中の貴金属を対象にする場合、CuやNiなどの主要元素の事前除去が必要であることが分った。
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