日本の原子力開発の黎明期(1950年代)から、2011年3月11日の東日本大震災・福島第一原子力発電所事故を経て今日に至るまで、原子力界の歴史と様々な変遷を湯川秀樹博士の遺した歴史資料などに基づいて分析した。その結果、「原子力ムラ」がどのようにして形成されて来たのかについて、その構造的仕組みを明らかにし、系統樹を作成した。また、同時に原子力ムラの癒着構造に関して、その原型を歴史資料の中から発見し、その意義を論じた。さらに、主に反原発・脱原発派との情報交換・情報共有および対話を通じて、原発の推進vs.反対という二項対立構造を乗り越えるための要件を見出した。
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