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2013 年度 実績報告書

放射性ストロンチウム・トリチウムなど純β核種迅速測定用可搬型検出装置の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24656568
研究機関名古屋大学

研究代表者

緒方 良至  名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70185502)

キーワード液体シンチレーション計測法 / 可搬型 / 純ベータ核種 / ガードカウンタ / 放射性ストロンチウム / トリチウム / 福島原発事故 / バックグラウンド
研究概要

可搬型液体シンチレーションカウンタ開発を目的として検出器の基本設計を行い、検出部の試作品を作成した。基本的な仕様は、バックグラウンド(BG)の低減のため従来用いられている鉛遮蔽を用いず、ガードカウンタを用いることである。昨年度は、ガードカウンタとして、プラスチックシンチレータを用いた。BG低減に一定の効果はあったが、γ繊に対する計数効率が低く、十分な効果が得られなかった。また、液体シンチレーション計測用に小型の光電子増倍管(PMT)を用いたが、十分な感度が得られなかった。
今年度は、より計数効率の高いBGO検出器をガードカウンタとした。また、通常の液体シンチレーションカウンタに用いられている2インチ径のPMTを用いることとした。結果として、昨年度作成したものより寸法が大きくなった。
純β核種32-P、14-C、3-Hを用い、計数効率およびガードカウンタの性能を評価した。鉛による遮蔽効果には及ばないが、昨年度のプラスチックシンチレータを用いたものより優れた性能を発揮することを確認した。また、口径の大きいPMTは、光子の収率が高く、市販の液体シンチレーションカウンタに近い計数効率を得ることができた。可搬型としての装置の大きさと検出効率にはジレンマがある。今後、より小型で性能の高いPMTの使用を検討したい。
今回の目的の核種である90-Srに関しては、種々の状況から、137-Csなどの他の核種から化学的に分離して測定する必要がある。化学分離法には、イオン交換法、発煙硝酸法、シュウ酸法、溶媒抽出法などがあるが、いずれも複雑な操作が必要で、かつ、劇物を用いる。より簡易的に分離する方法として分子認識ゲルを用いる方法がある。これについて、予備実験を行い、十分な収率でSrを分離―精製できることを確かめた。
今後の発展が期待される可搬型液体シンチレーションカウンタの実現可能性を実証した。

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公開日: 2015-05-28  

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