当該研究では,放射性核種の分離に広く適用されている水溶液と有機溶媒を用いる液液抽出操作に代替するための有機リン酸化合物を一切使用しない水相二相系での液液抽出操作について実験研究を所定の計画通りに実行し、先行研究による限定的な適用範囲について,抽出可能元素を放射性廃液処理で重要な複数の元素に拡張することに成功し、有機溶媒に起因する安全性や二次放射性廃棄物の諸問題を原理的に避けることができるようになった. さらに,超臨界二酸化炭素を作用させることで、水相二相系での放射性核種の分配比を増強できることを原理実証し,放射性核種の分離に伴う放射性廃棄物量の大幅低減を図りながら新規で実用的な基盤技術の創成に資することができた.
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