研究課題
世界中どこでも簡便に建設できる水レンズを用いて太陽光を集熱し、太陽光の赤外線成分を用いて太陽熱発電を行うために、熱電変換素子を利用して発電する場合を想定した。水レンズが具備すべき要件を計算と実験の両面から明示することが研究の目的である。50倍に集光する条件探索を目標とし、①一点もしくは直線焦点上に集光する条件、②水レンズに対して斜め入射光を集光する条件、③焦点距離を可変として刻々変化する太陽位置に適合する方策、④焦点に置く受熱板と熱電変換素子の最適条件、を計算結果に基づいて設計し実証した。平成25年度は計算機を援用した水レンズの設計と計算機実験を行った。まず、設計のため昨年度作成した数学モデルにより数値解を導いた。すなわち、透明シートは張力ベクトルおよび水の自重の釣り合いから保持される。斜め入射光は左右非対称の水中を通過して焦点に集光する。水層の厚さは透明シートの外形によって定まる。よって、①力の釣り合いを調整して、入射光が強く集光する条件と位置と光の強度を定めた。水溜り径と水深の関数として焦点位置を数値解で示した。さらに水レンズが汎用性を具備するために、焦点距離を、透明シートの大きさと引っ張り角度、水量の関数で示した。昨年度の実験結果をより詳細に再現できるモデルが完成した。②斜め入射を計算したところ、ある条件ではあるが、意外に大きな集光が可能であった。市販のソフトでは十分対応ができず自作の数値解を用いた。③焦点距離と焦点位置を変えることで太陽の位置の変化に追随する条件を見いだした。南中時の効率が多少悪化するのを我慢すれば、日の出から日没までの間に平均して集光することが可能となった。従来このような対応の出来るレンズは存在しなかった。④集光位置にたとえば熱電素子を置いた場合にどの程度の発電が期待できるかについて、実際のモジュールの特性を組み込んで検討した。
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