産業排熱の有効利用法の一つとして化学蓄熱が挙げられる.ここで用いられる反応は金属酸化物/水蒸気系や金属塩/水蒸気系等の気固反応であるが,その反応速度が遅いことや,反応転化率が100%に達しない等の問題があり,実用化には至っていない.本研究では,金属酸化物や金属塩等の化学蓄熱用反応物質と多孔性配位高分子(以下PCP)を複合した材料の化学蓄熱への適用を検討した. 種々の金属塩/PCP複合材料を合成し,化学蓄熱材として用いるための反応性評価を行った結果,CaCl2/ZIF-8複合材料が繰返し反応に対して一定の耐久性を持つことを明らかにした.
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