研究課題/領域番号 |
24656578
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
疋津 正利 金沢大学, 機械工学系, 助教 (10272949)
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キーワード | サーボモータ / 回生 / 母線間電圧 |
研究概要 |
これまでモータは動力の発生源として,あるいは発電機として用途に応じて使い分けて用いられており,最近ではハイブリッド車の普及に伴い,エネルギ回生技術の需要も高まってきている.サーボモータを用いた位置決め装置においては,一つの位置決め動作中に動力源としての力行と発動機としての回生が繰り返し行われており,特に重力方向に負荷を駆動する場合は,負荷の自重によりモータが回転し,発動機として作用する「マイナス負荷トルク」と言われる現象が生じ,重力エネルギの回生が回路的にうまくできないことから制御性の低下を招く事が知られている.負荷の重力方向駆動時におけるサーボドライバ内の回路の電流値・電圧値の解析を行ったところ,モータの回転に伴って発生する誘起電圧が直流電源である母線間の電圧を上昇させることを確認している.負荷を重力の作用する方向に逆らって上昇させる場合にはそれに見合った電流をモータに流すことが必要になるが,逆に負荷を下降させる場合にはモータに電流を流す必要が無いため,この母線間で上昇した電圧を取り出すことを行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
重力方向に負荷を駆動することが可能な位置決め装置において,サーボドライバ内の母線間電圧が上昇した分を充電池に蓄えるための装置を制作した.ただし,変換効率の面で十分とは言えないため,シミュレーション等を通して更なる向上を図る必要がある.
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今後の研究の推進方策 |
回生エネルギを充電池に蓄える回路の性能向上を目指すことに加え,蓄えたエネルギの再利用方法を検討する.また,モータの動特性の測定を通してエネルギ回生中の制御性の低下を防ぐ事を考える.
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次年度の研究費の使用計画 |
実験装置の性能評価およびそれを受けての改良に当初の予定より時間がかかったことにより,時期的に決算日よりも後にずれ込んだため. 実験装置の改良に用いる.
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