研究課題/領域番号 |
24657002
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
石浦 正寛 名古屋大学, 遺伝子実験施設, 名誉教授 (20132730)
|
研究分担者 |
松尾 拓哉 名古屋大学, 遺伝子実験施設, 助教 (00452201)
|
キーワード | 生物発光 / リアルタイム測定 / ルシフェラーゼ / タンパク質 / 緑藻 / 時計タンパク質 |
研究概要 |
ルシフェラーゼレポーターは感度・定量性・簡便性に優れ、遺伝子発現の活性を測定する技術として生命科学の多岐にわたる分野で利用されている。特に、この技術を生細胞に適用し、さらにゲノム解析のスケールにまで大規模化した「生物発光リアルタイム測定システム」(JST先端計測分析技術・機器開発事業、平成17~21年度、チームリーダー:石浦正寛)は、次世代シークエンサーの登場で新時代を迎えた遺伝学において鍵となるシステムである。しかし、ルシフェラーゼを用いたこれまでのレポーターアッセイは、専らプロモーターの活性に着目したものであった。近年めざましく理解の進んでいる転写後制御の重要性や、ゲノム配列解読後のタンパク質の動態の理解の重要性の観点から、今後はタンパク質の量的変動を正確に測定できるレポーターが不可欠である。 今年度は、レポーターの改良を行った。具体的には、緑藻クラミドモナスの時計タンパク質をモデルとして、使用するルシフェラーゼ遺伝子および、それらのバリアントを用いたレポーター遺伝子を作製し、細胞に導入して、生物発光の動態と実際のタンパク質の動態を比較し、最もタンパク質の動態を反映するレポーターを絞り込んだ。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究は当初の計画通り進んだ。さらに、現段階で十分な成果が得られたことから、当初は最終年度に予定していた論文発表を、前倒しで今年度に発表することができた。
|
今後の研究の推進方策 |
研究を計画通り進める。具体的には、出来上がったレポーターを実際の研究に利用し、実用性を実証する。生物発光リアルタイム測定システムを用いて、ROC15タンパク質の光依存的分解が起こらなくなる変異体を分離する。また、最終年度の成果をもとに、論文を執筆する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
実験方法の改良により、当初の予定より少ない額で研究を遂行することができた。 次年度使用額は、当初の予想より解析が進んでいる緑藻時計タンパク質ROC15のリアルタイム測定に関連した解析を行うための予算に充てる。具体的には、大規模測定のための培養関連消耗品、発光基質等の購入である。
|