研究課題
本研究は、ルシフェラーゼレポーターを用いてタンパク質量を生きたままの細胞でリアルタイムモニタリングする手法を開発し、生物時計研究への応用を目指す。本研究はルシフェラーゼレポーターの新たな使い方を提案する斬新で挑戦的な課題である。ルシフェラーゼレポーターは感度・定量性・簡便性に優れ、遺伝子発現の活性を測定する技術として生命科学の多岐にわたる分野で利用されている。特に、この技術を生細胞に適用し、さらにゲノム解析のスケールにまで大規模化した「生物発光リアルタイム測定システム」(JST先端計測分析技術・機器開発事業、平成17~21年度、チームリーダー:石浦正寛)は、次世代シークエンサーの登場で新時代を迎えた遺伝学において鍵となるシステムである。しかし、ルシフェラーゼを用いたこれまでのレポーターアッセイは、専らプロモーターの活性に着目したものであった。近年めざましく理解の進んでいる転写後制御の重要性や、ゲノム配列解読後のタンパク質の動態の理解の重要性の観点から、今後はタンパク質の量的変動を正確に測定できるレポーターが不可欠である。今年度は、昨年度までに作製に成功した緑藻クラミドモナスの時計タンパク質ROC15の量的変動を正確に測定できるレポーターを用い、このシステムの実用性を検証した。その結果、当初の予定通り、このシステムを用いてタンパク質の変動に異常を来す変異体の分離に成功した。
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