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2013 年度 実施状況報告書

蛍光相互相関分光法を用いたヒストン修飾クロストークの計測

研究課題

研究課題/領域番号 24657003
研究機関大阪大学

研究代表者

木村 宏  大阪大学, 生命機能研究科, 准教授 (30241392)

キーワードクロマチン / 染色体 / ヒストン / エピジェネティクス / 翻訳後修飾 / 抗体 / 蛍光相関分光法
研究概要

ヒストンの翻訳後修飾は、遺伝子発現、DNA修復、染色体分配などのゲノム機能の制御と維持に重要な役割を果たしているが、各修飾間のクロストークの全体像や意義は良く分かっていない。本研究は、蛍光標識した二種類の修飾特異的抗体または抗原結合断片(Fab)を用いて、蛍光相互相関分光法(FCCS)により、高感度かつ迅速なヒストン修飾コンビネーション検出法を開発することを目的として行っている。本年度は、非修飾型のヒストンH3K4特異的抗体と非修飾型H3K27特異的抗体を用いて、アッセイ系の確立を試みた。非修飾型H3K4特異的抗体と非修飾型H3K27特異的抗体をそれぞれAlexa488とCy5で標識し、蛍光相関分光(FCS)及びFCCS解析を行った。これらの抗体は、予想通りPBS溶液中で独立に拡散し、相互相関は見られなかった。この溶液中に大腸菌で発現させ精製したヒストンH3-H4複合体を加えて、計測を行った。二つの蛍光標識抗体は、ヒストンH3-H4複合体を介して単一の複合体を形成し、相互相関が検出できると期待された。結果的に、弱い相互相関を示唆する結果も得られたが、時間経過に伴いヒストンH3-H4複合体がPBS溶液中で凝集体を形成し計測が困難であった。そこで、ヒストンH3-H4複合体が凝集体を形成しない緩衝液を用いたところ、蛍光標識抗体が凝集しやすくなるという問題が見つかった。そこで、ヒストン複合体ではなく、ヌクレオソームを基質に用いたところ、凝集がある程度抑えられることが分かった。また、抗体(IgG分子)に比べてFabを用いた方が、良好な結果得られることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

装置が不調なことが多く、安定な計測を行うまでに時間を要した。また、ヒストン複合体が凝集しやすいことから、反応溶液の検討に時間を要した。

今後の研究の推進方策

ヌクレオソームやFabを用いることで、凝集がある程度抑制されることが分かったため、今後、この条件を元に反応系を改善していく予定である。

次年度の研究費の使用計画

FCS、FCCS計測装置が予想外の不調のため、実験に遅れが生じ、また、反応系の検討も予想外必要であることが分かったため、次年度に延長することで、この遅れを回復させることが期待できる。
FCS、FCCS計測に必要な抗原結合断片の調製と蛍光標識を行う。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 備考 (3件)

  • [備考] 木村グループ

    • URL

      http://www.fbs.osaka-u.ac.jp/labs/hiraoka/kimura/index.html

  • [備考] 大阪大学研究者総覧 木村 宏

    • URL

      http://www.dma.jim.osaka-u.ac.jp/view?l=ja&u=7721

  • [備考] Google Scholar Hiroshi Kimura

    • URL

      http://scholar.google.co.jp/citations?user=z3cSm10AAAAJ&hl=ja&oi=ao

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公開日: 2015-05-28  

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