ヒストンの翻訳後修飾は、遺伝子発現などのゲノム機能の制御と維持に重要な役割を果たしているが、各修飾間のクロストークの全体像や意義は良く分かっていない。本研究は、蛍光相互相関分光法を用いた高感度かつ迅速なヒストン修飾コンビネーションの検出法を開発することを目的として行った。Alexa488標識抗体とCy5標識抗体、及び、精製ヒストンを用いた場合、蛍光標識抗体とヒストンの可溶化条件が異なるため反応中の凝集体の形成が問題となった。そこで、蛍光標識Fabとヌクレオソームを用いたところ凝集体形成の問題が改善された。また、FRET計測により修飾コンビネーションを検出できる可能性が示唆された。
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