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2013 年度 実績報告書

日本人ハプロイドゲノムの超並列シークエンス解析による構造多型の完全解明

研究課題

研究課題/領域番号 24657005
研究機関九州大学

研究代表者

田平 知子  九州大学, 生体防御医学研究所, 講師 (50155230)

研究分担者 久木田 洋児  地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立成人病センター(研究所), その他部局等, 研究員 (60372744)
キーワードヒトゲノム構造多様性 / ハプロタイプ
研究概要

コピー数多様性(CNV)のようなゲノム構造多型は疾患感受性や薬剤応答などの個人差に影響を与える。しかし、複雑な構造多型を通常の2倍体細胞由来のゲノム解析によって決定することは困難である。そこで我々は単一精子由来の全領域ホモ接合ゲノムをもつ全胞状奇胎検体(CHM)のマイクロアレイ解析により170万個のSNPおよび2339領域のCNVからなる確定ハプロタイプを決定してきた(D-HaploDB Phase 4として公開:http://orca.gen.kyushu-u.ac.jp/)。本研究は、当初の計画では少数サンプルの全ゲノムを超並列シークエンサーで解析し新規にアセンブルすることで構造多型を確定することを目指していた。しかし、目的を遂行するためには長鎖リードが不可欠であるが、現状での全ゲノム解析では複雑なゲノム構造多様性に関する十分な情報を得ることが困難であることが判明した。そこで、D-HaploDBで検出したCNV領域に絞って全74検体のCHMを対象として塩基配列解析を行うことにした。特に薬物代謝に関連する遺伝子に着目し、UGT2B17、GSTT1ですでに知られている欠失のbreakpointを確認した。これらのように頻度が高い既知の欠失に加えて、新たにGSTA2-GSTA1領域の低頻度の欠失も検出した。そのbreakpointはGSTA1、GSTA2両遺伝子のintron 2にあり、相同な領域での組換えにより融合遺伝子が形成されていることが判明した。これにより、コードするグルタチオンS-転移酵素αのアミノ酸配列の一部が変化し、また発現量が減少することにより、同酵素が関与する薬物代謝に影響を及ぼすことが予想される。同じ欠失はヒトリンパ芽球細胞でも検出された。この結果はCHMゲノムの解析が低頻度の構造多型を解明するのに有用であることを示している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] A definitive haplotype map of structural variation determined by microarray analysis of duplicated haploid genomes2014

    • 著者名/発表者名
      Tahira T, Yahara K, Kukita Y, Higasa K, Kato K, Wake N, Hayashi K.
    • 雑誌名

      Genomics Data

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • DOI

      10.1016/j.gdata.2014.04.006

    • 査読あり
  • [学会発表] 日本人ハプロイド試料のゲノムワイド解析により同定された構造多型の機能予測2013

    • 著者名/発表者名
      田平知子, 久木田洋児, 矢原耕史, 山本健, 加藤聖子, 和氣徳夫, 林健志
    • 学会等名
      第36回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      20131205-20131205
  • [学会発表] Structural variations of pharmacogenetic genes detected in haploid genomes of Japanese population2013

    • 著者名/発表者名
      田平知子, 久木田洋児, 加藤聖子, 和氣徳夫, 林健志
    • 学会等名
      第72回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2013-10-05

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公開日: 2015-05-28  

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