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2014 年度 実績報告書

水生菌類群集を用いた河川生態系の栄養指標に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 24657010
研究機関東北大学

研究代表者

占部 城太郎  東北大学, 生命科学研究科, 教授 (50250163)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード河川生態系 / 菌類 / 生物多様性 / 群集構造 / 土地利用 / 集水域 / 水質 / 有機物
研究実績の概要

菌類は陸上だけでなく河川にもみられ、落葉や枯死木上だけではなく、河床の石や礫のような無機基質の表面にも生息している。石上付着性の菌類は有機基質に付着する菌類とは異なり、基質から直接的にエネルギーや栄養塩を得ることができないため、河川水に溶存する栄養塩や有機物の量や種類に強く影響を受けると推測される。そこで本研究は、真菌類と偽菌類を対象に、石上付着性菌類の時空間的な群集構造の変化とその要因を明らかにするための野外調査と現場実験を、宮城県仙台市を集水域とする名取川において実施した。採取年度にあたる本年は、これまで採取した試料と野外実験で得られた試料の分析を行うとともに、土地利用解析等を実施して最終とりまとめを行った。
【主な研究成果】河川上流域から河口までの石上付着性菌類の群集構造を詳細に調べたところ、種の豊富さは秋に下流域に向かって有意に増加すること、その群集構造は上流と下流との間で入れ子構造にはなっておらず、多くの構成種が入れ替わることがわかった。この結果は、河川周辺の植生や土地利用に応じた水質や有機物の変化にともなって石上付着性菌類の群集構造が空間的に変化することを示唆している。そこで、菌類の種組成と、河川に溶存する有機物や栄養塩の量、および土地利用や被覆との関係を調べたところ、名取川の石上菌類群集の種組成の流程間での違いは土地利用や被覆と密接に関係していることが示された。すなわち、河川の石上付着性菌類の群集構造は、集水域の土地利用や被覆の変化によって供給される多様な有機物に支配されいることが示唆された。また、石上の付着藻類の成長・繁殖と菌類の群集構造との関係を野外操作実験により調べたところ、河床の付着藻類は多様な菌類の定着や成長を促進するだけでなく、菌類の群集構造をも変化させることが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Spatial and seasonal changes in species diversity of epilithic fungi along environmental gradients of a river.2015

    • 著者名/発表者名
      Miura, Y., Urabe, J.
    • 雑誌名

      Freshwater Biology

      巻: 60 ページ: 673-685

    • DOI

      10.1111/fwb.12514

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] EFFECT OF LIGHT CONDITIONS TO FUNGAL ASSEMBLAGES ON SUBMERGED TILES IN A RIVER2014

    • 著者名/発表者名
      Miura, A., Urabe, J.
    • 学会等名
      Association for the Sciences of Limnology and Oceanography
    • 発表場所
      Oregon, USA
    • 年月日
      2014-05-18 – 2014-05-23

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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