名取川水系において、分生物学的手法を用い、河床の石上に形成される菌類群集の種組成とその時空間変動を解析した。その結果、石上菌類群集の種数は下流から上流に向かって増加する傾向があること、その変化は種の入れ替わりによるものであることがわかった。また、それら種組成の変化は水質など河川環境要因だけでなく集水域の土地利用や被覆とも密接に関係していることがわかった。さらに、供給される有機物の質によって菌類種間関係も変化することが野外実験により確認された。河川の石上菌類群集は、河川に供給される有機物の質や多様性の有効な指標となることが示唆された。
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