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2012 年度 実施状況報告書

遺伝子コピー数変異の野外集団解析による新たな疾病生態学の開拓

研究課題

研究課題/領域番号 24657011
研究機関東北大学

研究代表者

河田 雅圭  東北大学, 生命科学研究科, 教授 (90204734)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワード疾病生態学 / 遺伝子コピー数 / ヤマアカガエル
研究概要

抗菌ペプチドは、幅広い生物において感染抵抗性を担う自然免疫系で機能するタンパク質である。抗菌ペプチドは アミノ酸配列によって抗菌性に違いがあり、種間・種内での抗菌ペプチドの多様性は、病原体に 対する抵抗性の多様性と関係すると考えられている。ヤマアカガエル(Rana ornativentris)では、こ れまでに 16 種類の抗菌ペプチドの発現が確認され、そのうち 7 種類は Temporin1 ファミリーに分 類されている。しかし、抗菌ペプチドをコードするゲノム DNA の多様性については不明であった。Temporin 1 遺伝子は、抗菌ペプチドをコードする領域とプレプロ領域からなる。これまで、 知られている抗菌ペプチド配列からプライマーを設計して、配列決定を試みたが、遺伝領域が複 雑に重複しているために、増幅された領域の DNA 上の位置関係や遺伝子座関係を調べるのは困難であった。そこで、抗菌ペプチド遺伝子を含む広い領域の DNA 配列を決定する必要がある。そのために、ヤマアカガエルのフォスミドライブラリーを作製作成した。完成した BAC ライブラリーのうち、既知の抗菌ペプチド temporin 1 の配列(ATGCCAAGATCTAATGTTCTGGTGAATGGC)をプローブにして、抗菌ペプチド遺伝子を含む DNA 断片を選択した。二次スクリーニングにより任意の3つのクローンを選択することができた。現在、このクローン配列のDNA断片を次世代シークエンサーによって全配列を決定する準備を完了した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

フォスミドゲノムライブラーの作成およびTemporin1遺伝子のスクリーニングが完了し、配列を決定するまでの準備が整った。

今後の研究の推進方策

スクリーニングによって選択したゲノムクローンを次世代シークエンサー(Ion Torrent)を使って配列決定を行う。配列決定後、Temporin1の遺伝子の重複の様式を確認し、全コピーを検出できるプライマーセットをデザインする。宮城県の6つの集団から採集された個体を用い、集団内および集団間の個体間でTemporin1の遺伝子コピー数の変異の状況を調べる。また、個体の遺伝子コピー数と皮膚でのTemporin 1の発現量に相関があるかを確かめる。さらに遺伝子コピー数と常在菌の抵抗性との関係を調べる

次年度の研究費の使用計画

該当なし

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Habitat variability correlates with duplicate content of Drosophila genomes2012

    • 著者名/発表者名
      Makino, T. and Kawata, M.
    • 雑誌名

      Molecular Biology and Evolution

      巻: 29 ページ: 3169-3179

    • DOI

      10.1093/molbev/mss133

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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