エラ組織内に硫黄酸化細菌を共生させていることが知られているシチヨウシンカイヒバリガイ、シロウリガイを用いて、人工的に硫化水素を添加できる飼育水槽にて、長期飼育を行い、宿主ならびに共生菌に与える影響を調べた。シチヨウシンカイヒバリガイについては、1年以上の飼育に成功し、PCR法、fluoresence in situ hybridization法などで共生菌が保持できていることを確認した。炭素同位体の取り込み実験を行い、飼育後のヒバリガイが炭素固定能力を維持していることも確認できた。海洋研究開発機構の調査船「なつしま」ならびにROV「ハイパードルフィン」を用いて、シロウリガイの生息域の化学組成ならびに微生物多様性について、調査すると同時に、収集したシロウリガイを人工環境で飼育した。硫化水素添加システムを用いることで、43日間飼育することができ、生き残ったシロウリガイに共生菌が保持されていることを確認した。
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