研究課題
H24-25年度に行った挑戦的萌芽研究にて、我々は、線虫大量培養系を改良し、3日で数千頭の線虫を用意できるようになった。さらに、無菌培養のために、線虫の体に着いた付着菌を滅菌する必要があるが、これまで、フィルター滅菌とキムワイプを組み合わせた滅菌方法を行ってきた。しかし、抗生物質で線虫を一晩処理するという、新たな滅菌法の開発により、効率的な滅菌手法も確立した。薬剤ではなく、抗生物質を使うことで、線虫の活性を落とさず滅菌することが可能となった。このことにより、滅菌状態(無菌)の線虫を大量に用意することが可能となった。また、直径500umで、試験試薬を2ついれられるタイプのデバイスを開発し、様々な試薬を調査した結果、硝酸カリウムが忌避物質として機能すること、単糖やスクロース、糖アルコールが誘引物質として機能すること、単糖等を与えると線虫の口針刺突運動が活発化することを明らかにした。一方、シロイヌナズナを用いた感染効率の検定は、現在可能であるが、突然変異体によっては、その結果がぶれるものも多く、安定性に乏しかった。clv1突然変異体では、根瘤は出来るがGiant Cellが分化しないため、線虫が成熟せず、感染が成立しないことがわかった。しかし、clv1でも、細胞分裂は活発化し、根瘤が出来る場合があった。現在、感染実験は、約50%の確立でしか成功しないため、今後の手法の改良が必要となると思われる。
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