研究課題
研究初年度である24年度は、シングル葉緑体の挙動を検証するための形質転換植物の準備、測定系の最適化などを進めた。また、葉緑体やミトコンドリアなどの植物オルガネラにCa2+シグナルを生じる分子機構について解析を進めた。(1)シングル葉緑体のCa2+動態を調べるために、Ca2+センサー蛍光タンパク質であるカメレオンを葉緑体ストロマ画分にターゲットする形質転換植物の準備を進めた。(2)flg22などのエリシター分子の他、様々なストレスを与えた時に個々の葉緑体に生じる光合成機能変化を可視化するために、二光子蛍光スペクトル顕微鏡を用いた測定系の最適化を進めた。(3)ミトコンドリアCa2+輸送輸送隊の候補としてMCU、その制御因子としてMICU1が知られている。植物MICU1の研究に取り組み、ミトコンドリアタンパク質であることを明らかにするとともに、その生理機能の研究を進めた。MICU1の過剰発現によって、ミトコンドリアの酸化状態が変化することがわかり、MICU1によるCa2+動態制御が呼吸機能制御に関係している可能性が示された。(4)大腸菌の機械受容チャネルMscSは浸透圧制御に関係している。今回、ミトコンドリアの機械受容チャネルの候補として、MsxSタンパク質のホモログMSL1がミトコンドリア局在であることを明らかにした。
2: おおむね順調に進展している
形質転換植物の作成に時間を要しているが、概ね計画通りの準備を進めている。
当初計画に沿って、採集年度である本年度は,具体的な測定実験に取り組む。なお、葉緑体ばかりでなくミトコンドリアにおいてもCa2+シグナルが生じている可能性が高まっており、その評価の研究にも取り組む。
該当無し
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