研究課題
群体性ボルボックス目(注1)の中で4細胞性と最も細胞数が少なく、かつ約2億年前という最も初期に出現したシアワセモ(Tetrabaena socialis)を用いて、多細胞生物としての基本的な形の特徴を発見した(Arakaki et al. 2013, PLOS ONE)。シアワセモでは各細胞が個体の一部分として機能するために単細胞生物とは異なる細胞構造を持っていること、4細胞が統一のとれたきれいな四葉のクローバー型の配置を作りだすために発生の初期に娘細胞同士が原形質の架橋構造で連絡していることが明らかになった。4細胞の多細胞生物は現在知られているものの中で最も細胞数が少ないシンプルな多細胞生物である。また、シアワセモの全ゲノム解読のためにシアワセモのDNAを抽出し、次世代シーケンサーで一部ゲノム解読した。
2: おおむね順調に進展している
最小多細胞生物の論文が出版され(Arakaki et al. 2013, PLOS ONE)、プレスリリースの結果新聞報道(朝日新聞)された。
今後、シアワセモを用いることによって、単細胞生物から多細胞生物への進化の過程を分子レベルで解明する予定である。そのためにシアワセモの全ゲノム解読を更に完璧なものにする予定である。
次世代シーケンサーでゲノム解読するためのシアワセモのDNA抽出の条件検討に時間がかかり、ゲノム解読する予算を次年度に使用することになった。次世代シーケンサーでゲノム解読するために使用する。
すべて 2014 2013 その他
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)
Phycologia
巻: 53 ページ: 95-99
10.2216/13-193.1
BMC Evol. Biol.
巻: 14 ページ: 37
doi:10.1186/1471-2148-14-37
PLOS ONE
巻: 8 ページ: e81641
DOI: 10.1371/journal.pone.0081641
http://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/press/2013/47.html