マウスの超音波発声は時系列構造を持つことが知られており,その神経メカニズムが注目されている.本研究では,DBA/2Jマウスの超音波発声が老化に伴う難聴に従ってどのように変化するのか調べ,6~8週齢では発達効果により基本周波数が下降していくのに対し,11~13週齢では聴力の低下に伴い基本周波数が上昇(難聴効果)していくことを明らかにした.また,聴覚皮質内における神経情報伝達を解析するために,SAMマウスの聴覚皮質を含む急性スライス切片から多点同時計測を行い,電流源密度解析を用いて電流源の時空間ダイナミクスを可視化した.その結果,深層から浅層へ,そして層に平行に活動伝搬していく様子が得られた.
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