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2012 年度 実施状況報告書

モンゴル西部の湖沼における湖岸性昆虫群集の起源

研究課題

研究課題/領域番号 24657062
研究機関鹿児島大学

研究代表者

山根 正氣  鹿児島大学, 理工学研究科, 教授 (30145453)

研究分担者 坂巻 祥孝  鹿児島大学, 農学部, 准教授 (20315401)
杉山 裕子  兵庫県立大学, 環境人間学部, 准教授 (40305694)
佐藤 正典  鹿児島大学, 理工学研究科, 教授 (80162478)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワードモンゴル / ハマハシリバエ
研究概要

2012年7-8月にモンゴル中北部と西部で8つの水鵜海を含む11の水系で,ハマハシリバエの分布調査を実施した。その結果,2つの湖で昨年度に唯1個体採集されたハマハシリバエが大量に確認された。今回は,オス・メスともに採集され,形態比較の材料がそろった。水質検査の結果,これら2つの湖は非常に異なっており,1つ(小ハルウス湖)は塩湖であり,他(ハル湖)は淡水湖であった。前者では鉄,塩素,硫黄が高濃度で検出された。両者に共通するのは湖岸が砂浜であることであった。2つの個体群の間には軽微であるが形態的分化が見られた。しかし,ミトコンドリアCOI領域650塩基では両湖産個体群間に塩基配列の差が認められなかった。これらのことから,両個体群はごく最近に分かれたものと推定された。日本や沿海州の種については良好な状態で保存された標本がなく,これまでに有益なDNAデータは得られていない。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

目的とする種を2つの湖で採集し,これまで記録のなかったアジアの内陸湖にハマハシリバエ属の種が存在する事を疑いの余地なく確認した。2つの湖は塩分濃度等で大きな違いがあったが,いずれの生息地も細かい砂からなる湖岸である点で共通することが判明し,本属の生息条件の一つを明らかにする事ができた。分子系統のためのプライマーを確定し,日本産をふくむいくつかの種を比較する事ができた。形態および分子の結果から,本種が新種である事が確定し,また2つの湖の集団が最近の共通祖先をもつが,わずかに形態的差異を示すことが判明した。これらの結果から,当面は両集団が同一種に属するとみなし,それを新種として記載する準備がほぼ完了し,4月中に投稿予定である。このように本年度の目標としてかかげた主要な点は達成された。

今後の研究の推進方策

モンゴル西部の内陸湖でえられた種の近縁種が生息する可能性の高いロシア・バイカル湖をターゲットとする。現在,現地の研究者と連絡をとり,バイカル湖における砂浜湖岸の場所を特定する作業に入っている。最低3-4の湖岸を調査し,ハマハシリバエの発見につとめる。成虫を80%および99% エタノールで持ち帰り,形態観察とDNA分析に用いる。モンゴル,日本,沿海州,バイカルの種を形態,分子両面で分析し,系統関係を推定し,モンゴルの種の由来をさぐる。ロシアからの水の持ち出しは非常に困難であると予想されるので,今回採水はせず,兵庫県立大学にあるバイカル湖の水を分析し,データとして使う予定である。ロシアにおける野外調査には様々な困難、予想できない事態が想定されるため,現在現地(ブリャート大学)と連絡をとりながら,慎重に計画を進めている。

次年度の研究費の使用計画

該当無し。

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公開日: 2014-07-24  

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