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2013 年度 実績報告書

昆虫ポックスウイルスのゲノム外DNA断片はヴィロファージか

研究課題

研究課題/領域番号 24657064
研究機関独立行政法人森林総合研究所

研究代表者

高務 淳  独立行政法人森林総合研究所, 森林昆虫研究領域, 主任研究員 (80399378)

研究分担者 仲井 まどか  東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (60302907)
キーワード進化 / ウイルス
研究概要

ヴィロファージ(Virophage:ウイルスに寄生するウイルス)は、水圏の原生生物に広く存在すると考えられており、ウイルス学的、生態学的、進化学的に注目されている。
昆虫ポックスウイルスは、2本鎖直鎖状DNA1本をゲノムとして持つ。ところが、蛾の一種ハマキガに感染する昆虫ポックスウイルスの全ゲノムを解読したところ、ゲノムにはつながらない11kb程度のDNA断片があることを発見した。本DNA断片の特徴として、断片に読みわく(ORF)以外の遊びの配列があまりなくウイルス様の配列であること、断片上の多くの遺伝子のプロモーター領域の配列が昆虫ポックスウイルスの後期遺伝子のそれに酷似していること、この断片上に存在する遺伝子や断片の構造は、virophageに似ていることがあげられる。ゲノム外断片の検出法を開発し、本断片がポックスウイルス粒子内に存在することを明らかにした。さらに、本年度の研究から、本断片は、昆虫ポックスウイルスの複製と同調して複製すること、ポックスウイルスのゲノムとほぼ同レベルのコピー数にまで複製することが分かった。これらのことから、本断片が昆虫ポックスウイルスのゲノムと密接にかかわっており、昆虫ポックスウイルスの複製機構を利用して自身が複製する寄生者のようにふるまうと推定された。また、本断片と昆虫ポックスウイルスと昆虫のゲノムに存在するキャプシド様遺伝子が系統的にリンクしていることも明らかとなった。本DNA断片が遺伝子の運び屋としても機能している可能性を示唆している。本成果は、virophage様のDNA断片が、陸上の生態系に生息する多細胞の動物(本研究では、昆虫のハマキガ)のウイルスに存在することを強く示唆するものである。

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公開日: 2015-05-28  

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