研究概要 |
日本列島が豊富なアジアの鳥類種の供給地となってきた可能性について、主にmtDNAバーコード領域の分子系統樹によって検討をおこなった。まず、184種831個体の日本繁殖種のバーコード配列を読み、BOLDデータベースのプロジェクトBJNSMに登録した。11の鳥類プロジェクトの234種1,367個体の日本繁殖種を含む699種4,636個体のデータを統合して、NJ法による系統樹を作成したところ、合計30種の鳥類で、日本列島の集団が最も遺伝的多様性が高く、かつ、系統樹の基部に位置することがわかった。これは少なからぬ鳥類種が日本列島起源であることを示唆する。生物系統地理学的な正確な分析が今後望まれる。
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