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2013 年度 実績報告書

エックス線結晶構造解析で用いるタンパク質結晶の質を大きく改善する手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24657079
研究機関大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構

研究代表者

千田 俊哉  大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (30272868)

キーワード結晶工学 / クライオプロテクタント / タンパク質 / 結晶化 / 分解能 / X線結晶構造解析 / 回折データ測定
研究概要

前年度の報告で述べたように、CagA結晶を10オングストローム分解能から3.1オングストローム分解能まで改善するまでの段階でsnapshotイメージを収集した結晶の数は1045個に達した。本年度は、これらのデータを統計的に処理するための基本となるExcelシート(結晶化条件、結晶の大きさ、ソーキング条件、変異体名、最大分解能等を含む)を全ての結晶について作成し、多段階でクライオプロテクタント溶液にソーキングする手法の有効性を統計的に分析した。その結果、多段階でクライオプロテクタント溶液にソーキングする方法では、単一のクライオプロテクタント溶液を用いた場合と比較して、最大分解能だけではなく、3.5オングストローム分解能以上の回折を生じる結晶の割合が大幅に向上(エリスリトール単独では10%→トレハロース+PEG1000では80%)していることが明らかとなった。また、変異体の種類によって結晶の質に有為な差が見られることも明らかとなった。これらの成果については学術論文誌に投稿中である(M. Senda et al., submitted)。
さらに、多段階で複数のクライオプロテクタントにソーキングする手法「multi-step soaking method」をいくつかのタンパク質結晶に適用し、結晶の質を改善することを試みた。その結果、タンパク質結晶Aについては、回折データの質が3.5オングストロームから2.1オングストローム分解能に、タンパク質結晶Bについては、最大分解能が1.20オングストローム分解能から1.05オングストローム分解能まで改善された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (4件) (うち招待講演 2件)

  • [学会発表] 無酸素条件下での結晶化2013

    • 著者名/発表者名
      千田美紀、千田俊哉
    • 学会等名
      日本結晶学会年会(招待講演)
    • 発表場所
      熊本大学(熊本市)
    • 年月日
      20131013-20131013
    • 招待講演
  • [学会発表] Crystal quality improvement with cryoprotectants2013

    • 著者名/発表者名
      Toshiya Senda
    • 学会等名
      International Conference on Structural Genomics 2013-Structural Life Science
    • 発表場所
      京王プラザホテル札幌(札幌)
    • 年月日
      20130730-20130730
    • 招待講演
  • [学会発表] A novel approach of crystal-quality improvement by “the multi-step soaking method2013

    • 著者名/発表者名
      Miki Senda, Takeru Hayashi, Masanori Hatakeyama, Toshiya Senda
    • 学会等名
      American Crystallographic Association Annual Meeting 2013
    • 発表場所
      シェラトンワイキキホテル(ハワイ)
    • 年月日
      20130724-20130724
  • [学会発表] 「multi-step soaking method」によるピロリ菌の発がんタンパク質CagA結晶の改善2013

    • 著者名/発表者名
      千田美紀、林剛瑠、竹内恒、畠山昌則、千田俊哉
    • 学会等名
      第13回日本蛋白質科学会年会
    • 発表場所
      とりぎん文化会館(鳥取市)
    • 年月日
      20130612-20130612

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公開日: 2015-05-28  

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