一般に植物には強力な発熱能力はないと考えられているが、ザゼンソウを含むある種の植物は積極的に発熱し、発熱器官の温度を外気温よりも有意に上昇できることが知られている。本研究においては、哺乳動物において熱産生因子の一つとして知られている脱共役タンパク質に着目し、ザゼンソウ肉穂花序由来ミトコンドリアにおける発現を他の発熱植物であるArum maculatumと比較した。その結果、A. maculatumにおける脱共役タンパク質の発現はザゼンソウと比較して極めて低レベルでること等が判明した。これらの結果は、植物の熱産生現象において脱共役タンパク質は異なる発現および機能性を有する可能性を示唆している。
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