銅イオンは必須微量金属の一つであり、タンパク質に結合することで各種の酵素活性の中心として機能している。一方で、遊離状態の銅イオンは活性酸素の発生を触媒することで毒性を発揮することがあるため、その細胞内動態は厳密に制御されねばならない。そこで本課題では、銅結合酵素であるSOD1への銅イオン輸送経路に着目し、細胞内での銅イオンの「流れ」を制御するメカニズムの解明を行った。特に、細胞内に銅イオンを取り込む輸送体であるCTR1と銅シャペロンCCSとの相互作用について解析を行い、SOD1への銅イオン供給を試験管内で再現することができるのかを検討することを最終的な目標として研究を進めた。
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