研究課題/領域番号 |
24657101
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
今村 博臣 京都大学, 白眉センター, 准教授 (20422545)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | FRET / イメージング |
研究概要 |
微小な構造変化を検出する抗体を用いたFRETバイオセンサーの開発を目指し、以下の研究をおこなった。まず、データベース上から、潜在的にアセチル補酵素Aに結合すると予想されるタンパク質数種類を選び出し、その遺伝子のクローニングをおこなった。さらに、これらのタンパク質の大腸菌における発現系を作製した。次に、タンパク質とアセチル補酵素Aの結合アッセイ系を構築し、発現精製した上記のタンパク質について、実際のアセチル補酵素A結合能を調べた。その結果、一つのタンパク質GATが再現性よくアセチル補酵素Aと結合する事が明らかとなった。このGATを磁性ビーズに固定化し、一本鎖抗体のファージディスプレイライブラリーからGATに結合する一本鎖抗体を7種類選抜した。この7種類の一本鎖抗体の性質を調べたところ、少なくとも1種類はGATに対してアセチル補酵素A存在下でGATに結合し、非存在下では結合しないということが明らかとなった。本研究において、構造変化を検出する抗体の取得は、最も大きな障壁の1つと予想されたが、この方法を用いることで、構造変化を検出する抗体は実際に取得可能であることが示された。取得した抗体は、バイオセンサー構築の基盤となると考えられる。 続いて、取得した一本鎖抗体およびGATを蛍光蛋白質と連結させた人工タンパク質を作成した。今後、この人工タンパク質を改変することで、実際にin vivoで利用可能なアセチル補酵素Aのセンサーを構築していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究において、最も大きな障壁の1つは、微小な構造変化を実際に見分ける抗体を取得することであると予想されていた。これまでの研究で、この大きな障壁は超えたと考えいる。
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今後の研究の推進方策 |
これまで、一本鎖抗体を組み入れたFRET型バイオセンサーはほとんど報告されていない。今後は、蛍光タンパク質と一本鎖抗体、および抗体のターゲットとなるタンパク質をどのような順番で融合させれば、バイオセンサーとして機能するか試験管内で検討をおこなう。 抗体とタンパク質の結合様式は、この設計を行う上で重要な情報となるため、X線結晶構造解析によって、抗体とタンパク質の複合体の立体構造を調べることも検討する。 試験管内で機能を確かめた後、バイオセンサーを生細胞に導入してイメージングをおこない、生細胞内でのアセチル補酵素Aの時空間動態を調べる。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究が当初の予定より順調に進んだため、予想していたほど一本鎖抗体の選抜に関わる消耗品等の使用が少なかった。 本年度使用しなかった予算は、次年度予算と合わせ、次年度の研究をさらに促進するために使用する予定である。
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