研究課題/領域番号 |
24657102
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
前川 真吾 京都大学, 情報学研究科, 助教 (30467401)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | バイオミメティクス / 色素胞 |
研究概要 |
I-a. 脳から色素細胞間の順行性、逆行性神経標識 胴長20cm程度のイカの体表には数十から数百万個の色素胞が存在すると推測される。色素胞は周辺の筋肉によ り拡大・縮小されると考えられている。すべての色素細胞およびその周辺の筋肉細胞一つ一つに脳から神経が投射しているのかどうかを明らかとするために順行性標識を試みた。体の大きなアオリイカを使用した場合では神経トレーシングが困難であることが判明した。そこで、世界最小のイカであるヒメイカに着目した。ヒメイカは胴長約1 cmと非常に小型で色素胞の数も少ない。現在、研究室での飼育システムのセットアップが終了した。 II-a. 色素胞周辺の細胞骨格の観察 色素胞の拡大・縮小は色素細胞の周辺の筋肉が関わると考えられている。しかし、どのように同調的に筋制御 が達成されるのかは不明である。色素胞の拡大縮小の手がかりを得るために細胞骨格と色素胞および筋肉の関係の解明を試みた。アオリイカでもヒメイカにおいてもファロイジン染色をした結果、アクチン繊維が色素胞に対して放射状に配置されていることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までにアオリイカからヒメイカへと研究対象を変更したものの、解析手法を改良するよりもはるかに簡単に様々な実験を行えているため、順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今後はヒメイカを用いて順行性神経トレーシングを行いつつ、逆行性の標識に関しても行う予定である。また、色素胞周辺の組織学的解析も行う。同時に、色素胞の拡縮のシミュレーションのためのプラットフォームの整備も行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
基本的な分子生物学実験に用いるキットおよび試薬を主たる用途とする予定である。また、シミュレーション用のパソコン、ソフトウェアの購入も検討する。
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