研究課題/領域番号 |
24657103
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
今元 泰 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (80263200)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | イエロープロテイン / 構造変化 / 平衡 / 遷移状態 / 光反応サイクル |
研究概要 |
Photoactive yellow protein(PYP)は光刺激をうけると、構造が変化して光信号を細胞に伝え、その後、元の状態に戻る(光反応サイクル)。光反応サイクル中で生成し、生理活性中間体であると考えられているM中間体は、部分的に蛋白質構造が変性した状態であると考えられており、蛋白質の変性状態のモデルとして研究されてきた。これまでの研究から、M中間体で構造変化が起こる部位をアゾベンゼンで架橋すると、その異性化状態(長さの違い)によって光反応サイクルの速度が大きく変化することが見出した。本研究では、アゾベンゼン架橋をPYPのさまざまな部位に導入し、L中間体からM中間体へと構造変化する際の遷移状態に関する情報を得ることを目指している。 L中間体からM中間体への遷移過程の解析にφ値解析を応用するためには、数100マイクロ秒から数ミリ秒で起こるL中間体からM中間体への速度定数と、過渡平衡中のL中間体とM中間体の量比を求める必要がある。スペクトルの形状から複数の中間体の平衡の量比を見積もるためには、スペクトルを精度よく測定することが必要である。そこで、OPOレーザーとCCDマルチチャンネル分光光度計組み合わせ、マイクロ秒の時間分解能でフルスペクトルを高いS/N比で測定する系を構築した。 また、アゾベンゼンによるクロスリンクの位置を変えたPYPを、新たに2種類設計した。25年度はこれらのPYPの熱力学的な解析を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
PYPにシステイン残基を導入し、アゾベンゼンでクロスリンクすることは、分子設計、実験ともに方法が確立できた。また、マイクロ秒領域でのスペクトル解析が可能な分光データを得る実験系ができたので、本研究はおおむね順調に進んでいると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は光反応サイクル中での構造変化に関する解析を行うが、折りたたみ過程の解析にも拡張できるかどうかを検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
試料調製のための試薬などの消耗品の購入と、成果発表のための旅費にあてる予定である。
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