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2012 年度 実施状況報告書

蛋白質の速い揺らぎの検出と動的アロステリック効果の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24657107
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

久保 稔  独立行政法人理化学研究所, 城生体金属科学研究室, 研究員 (90392878)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード揺らぎ / タンパク質 / 生体分子分光 / フェムト秒レーザー / 低振動
研究概要

本研究の目的は、蛋白質のアロステリック効果とゆらぎとの関係を明らかにすることである。本研究ではアロステリック蛋白質の代表であるヘモグロビンを調べる。ヘムドーミングモードの振動コヒーレンス(振動数約50 cm-1)の緩和時間よりゆらぎを評価し、様々な酸素親和性を示すヘモグロビン7種に対して、酸素親和性とゆらぎとの間の相関をプロットする。
平成24年度(初年度)は、振動コヒーレンス観測のためのフェムト秒コヒーレント分光装置の開発からスタートした。本実験では、ヘムのフェムト秒時間分解過渡吸収をpump-probe法により測定し、その信号に含まれるビート成分(振動コヒーレンス)を解析する。時間分解測定は、pump光の光軸にdelay stageを設置し、pump光の光路長を可変にすることで行なう。また、pump光の光軸にAOM(音響光学素子)を挿入し、pump on/offに対するprobe光の強度差をロックイン検出する。
フェムト秒レーザー光源には、現有のcoherent社製・Micra-5を使用した。このレーザーから、中心波長830 nm、バンド幅約30 nm、パルス幅約200 fs、繰り返し周波数80 MHzのパルス光を得た(パルス幅は、プリズム対により、<40 fsにまでチャープ補正する予定である)。ヘモグロビンのヘムのSoret帯に共鳴させるため、BBO結晶を用いてこのパルス光の二倍波を得た。本年度は異動により、光学系の開発はこの光源部位にとどまった。また、delay stageの移動とロックイン検出を同期させて、積算データを自動測定するためのプログラムは、Labview2012を用いて作成中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度は異動により、光学系を一度崩して移管する必要があったため、光学系の開発が遅れた。

今後の研究の推進方策

装置開発を引き続き進める。また一方で、ヘモグロビン試料の精製を共同研究者に進めていただく。過去の文献(J. Am. Chem. Soc. 1985, 107, 1108-1113)によれば、ヘモグロビンは、pHの変化、Cl-イオンの投与、イノシトール6リン酸の投与などにより、さまざまなO2親和性を示す。O2親和性は、Fe-His共鳴ラマンバンドの振動数と相関を持つことが上記文献で明らかにされている。本研究ではO2親和性の異なる7種の状態を研究対象とする。ヘモグロビン試料の精製後、まずは7種のヘモグロビン試料を調整し、Fe-His共鳴ラマンバンドの測定を行なう。過去の文献を再現する試料を得たことを確認した後、同様の試料調整により、振動コヒーレンス測定を行なう。

次年度の研究費の使用計画

該当なし

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公開日: 2014-07-24  

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