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2014 年度 実績報告書

蛋白質の速い揺らぎの検出と動的アロステリック効果の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24657107
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

久保 稔  独立行政法人理化学研究所, 放射光科学総合研究センター, 専任研究員 (90392878)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード揺らぎ / タンパク質 / 生体分子分光 / フェムト秒レーザー / 低振動
研究実績の概要

本研究の目的は、アロステリック蛋白質の代表であるヘモグロビン(Hb)を用いて、アロステリック効果とゆらぎとの関係を明らかにすることである。本研究では、振動コヒーレンス分光により、ヘムドーミングモードの振動コヒーレンス(振動数約50 cm-1)を測定し、その位相緩和時間からゆらぎを評価する。
本年度は、酸素親和性を変化させた5種の条件で、deoxyHb Aの位相緩和時間を測定し、酸素親和性とゆらぎとの間の相関を調べた。5種の条件とは、(1) Stripped, (2) +Cl-, (3) +Cl- and +BZF, (4) +Cl- and +IHP, (5) +Cl-, +BZF, and +IHPである。Cl-, IHP, BZFはアロステリックエフェクターであり、これらの添加によってHbの酸素親和性は大きく変化する。
ヘムの振動コヒーレンスは、いずれの条件においても、~47 cm-1, ~92 cm-1, ~160 cm-1, ~211 cm-1から成っていた(使用したフェムト秒レーザーの関係で、高波数になるほど波数誤差が大きい)。~47 cm-1のモードがヘムドーミングモードである。5種の条件で、このモードの位相緩和時間と酸素親和性(K_T)との相関を調べた結果、それらの間に明瞭な相関は認められなかった。その他のモードについても結果は同様であった。本研究から、少なくとも速いゆらぎは酸素親和性と相関がないことが明らかとなった。

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公開日: 2016-06-01  

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