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2012 年度 実施状況報告書

選択的スプライシング制御を介した熱ストレス応答機構

研究課題

研究課題/領域番号 24657118
研究機関神戸大学

研究代表者

井上 邦夫  神戸大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (40252415)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワード遺伝子 / 発現制御 / 細胞環境 / スプライシング
研究概要

熱ストレスはmRNA前駆体におけるスプライシングをグローバルに抑制すると考えられているが、実際には、効率よくスプライシングされる遺伝子や、選択的スプライシングを受ける遺伝子が存在する。本研究は、(1) U1 snRNPに依存しない新規スプライシング機構が熱ストレスによるスプライシング抑制を回避する機構の一つとして働いている可能性を検証するとともに、(2) 熱ストレス応答性の選択的スプライシング制御の分子機構を解明し、さらに、(3) 選択的スプライシングを介してさまざまなレベルの遺伝子発現が包括的に制御されるネットワーク系が存在することを明らかにすることを目的としている。
今年度は、主に、ヒトhsp105遺伝子における熱応答性の選択的スプライシング機構について解析を進め、培養細胞において、核タンパク質をコードする150強の遺伝子についてRNA干渉法(RNAi)によるノックダウン実験を行った。その結果、hnRNP Kのノックダウンによってhsp105遺伝子の熱応答性スプライシング制御が著しく阻害されることを見出した。
また、通常培養温度(37度)および高温処理(42度)をしたヒトHeLa細胞からそれぞれ全 mRNAを精製・蛍光標識し、エキソンアレイ法を用いた比較解析を行って、熱ストレスによりスプライシング様式の変化した遺伝子を多数同定した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

in vitro実験系を用いた制御因子の同定にかえて、培養細胞における網羅的なRNAi実験を実施したが、総体として、交付申請書に記載した研究目的を概ね達成できた。

今後の研究の推進方策

平成24年度に引き続いてhsp105遺伝子の熱応答性スプライシング制御機構について解明を進めるとともに、前年度に熱ストレスによる制御を受けることを同定した他の遺伝子群についてもhsp105遺伝子と同様の制御機構であるか検討する。また、熱ストレス制御を受ける遺伝子群について、熱ストレス特異的なスプライシングアイソフォームのノックダウンや強制発現実験等を行い、熱応答性制御における生理的な役割を解析する。一方、U1 snRNPに依存しない新規スプライシング機構が熱ストレスによるスプライシング抑制を回避する機構の一つとして働いている可能性についても検証する。

次年度の研究費の使用計画

培養細胞における網羅的なRNAi実験を平成24年度に実施し、制御因子の質量分析を次年度に実施することとした。この点もふまえ、研究遂行に必要な試薬・消耗品等の物品費、及び、研究補助者の雇用を中心とした研究費使用を計画している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] A specific set of exon junction complex subunits is required for the nuclear retention of unspliced RNAs in Caenorhabditis elegans.2013

    • 著者名/発表者名
      Shiimori, M. et al.
    • 雑誌名

      Mol. Cell. Biol.

      巻: 33 ページ: 444-456

    • DOI

      10.1128/MCB.01298-12

    • 査読あり

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公開日: 2014-07-24  

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