研究課題
非対称な細胞分裂(出芽)で増殖する出芽酵母では、母細胞の老化進行と娘細胞の若返りが同時に起こることから、ゲノムの不安定化などを引き起こす未知の老化因子が母細胞へ非対称に分配蓄積することによって、母細胞の老化が振興すると考えられます。当年度の研究では、昨年度に引き続きエルトリエーターで娘細胞から老化が進行した母細胞まで段階的に分画した細胞から全DNAとRNAを調製し、DNA量あたりのRNA量の比較検討とmadRNAの精製を行いました。その結果、母細胞ではRNAの量自体が全体的に増えている可能性が考えられました。精製madRNAの配列決定の準備がようやく終わり、現在配列決定実験を行う段階まで進めることができました。madRNA同定後の遺伝学的解析を想定すると、変異体スクリーニング後の変異体同定を高速化する必要が考えられました。そこで、これまで数週間から数ヶ月以上掛かっていた変異体の原因変異点同定を革命的に高速化し解析する次世代シークエンサーデータ解析法の確立と解析Webツールの開発を行いました。Webツール"Mudi"は、戻し交配をし得られた変異体をプールし次世代シークエンサーをもちいて全ゲノムDNA解析を行うことで、候補変異点のランク付けを行うツールです。このツールによって挙げられた候補変異は、極めて正確に候補を引き当てることを確認できたことから、今後次世代シークエンサーを用いた解析を一般的に容易にする重要な成果です。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 備考 (1件)
Genes to Cells
巻: Vol.19、No.1 ページ: 517-527
10.1111/gtc.12151
Scientific Reports
巻: 3 ページ: 2186
10.1038/srep02186
http://naoii.nig.ac.jp/mudi_top.html