低分子量G蛋白質Rab12はリサイクリングエンドソームからリソソームへの新規輸送経路に関与することが示唆されているが、その生理学的意義は明らかではなかった。本研究課題では、Rab12依存的に分解されるリサイクル分子として、アミノ酸トランスポーターPAT4を同定することに成功した。PAT4は細胞外からのアミノ酸流入に関与するため、Rab12の機能不全により細胞膜上のPAT4量が増大すると、それに伴い細胞内アミノ酸量が増加し、mTORC1の活性化とオートファジーの抑制が引き起こされる。すなわち、Rab12は細胞膜上のPAT4量を適切に保つことにより細胞の異常増殖を抑える機能を持つことが示唆された。
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