研究課題
動物細胞の多くは増殖抑制シグナルによって増殖休止期に移行すると、中心体が細胞表層に移行し基底小体に変換され、基底小体を土台として一次繊毛が形成される。すなわち細胞増殖サイクルの進行と一次繊毛の形成は相反するが、細胞周期依存的な中心体ー基底小体変換の分子機構は不明である。私達は、増殖抑制シグナル(Hippo pathway)の下流で活性化されるキナーゼNDRが血清飢餓による一次繊毛形成に関与することを見出した。さらに、NDRは繊毛形成に関わるRab8のGDP-GTP交換因子であるRabin8をリン酸化することを見出した。本研究では、NDR経路を中心に、増殖抑制シグナル依存的な中心体ー基底小体変換機構及び一次繊毛形成機構を解明することを目的として研究を行い、以下の成果を得た。1、NDRはPI4KIIIbのSer-277を特異的にリン酸化し、このリン酸化は一次繊毛形成に関与していることを解明した。2、NDRの活性化に関与するFurryが分裂期紡錘体微小管のアセチル化に関与することを明らかにした。また、3、中心体ー基底小体変換に重要な役割を持つTTBK2キナーゼについて、その結合蛋白質EB1とCep164との結合領域を明らかにした。
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http://www.biology.tohoku.ac.jp/lab-www/mizuno_lab/