研究課題
平成26年度はアクチン重合阻害剤であるラトランキュリンA(Lat-A)処理によって、テトラヒメナで発現量が急激に増加するACT2 遺伝子に着目して、「ACT2 遺伝子の発現誘導と薬剤耐性の因果関係の検証」をめざした。平成25年度の研究では、ACT2遺伝子破壊株はLat-A耐性能を獲得できず、Lat-A耐性能獲得細胞に出現する新規アクチンが観察されなかった。したがって、Lat-A耐性能獲得はACT2遺伝子の発現によると考えた。この可能性を証明するため、平成26年度はACT2遺伝子過剰発現株が最初からLat-A耐性能を持つかを調べた。薬剤耐性カセットとカドミウム誘導性プロモーターを含むコンストラクトをACT2のN末側に導入し,カドミウム処理でACT2を過剰発現する株を作成した。EGFPあるいはmCherry融合ACT2遺伝子を載せたものも作成した。ACT2の過剰発現誘導は、塩化カドミウム添加によって行った。ACT2のみの過剰発現株でも、蛍光タンパク質(EGFP、あるいはmCherry)を融合したACT2の過剰発現株でも、Lat-A処理後,数時間経過しても食胞形成能は回復せず、薬剤耐性能を獲得しなかった。そこで、ACT2過剰発現株のAct2p量を抗アクチン抗体を用いたウェスタンブロッティング法で確認した。その結果、発現量が十分でないことが分かったので、改善を図っている。一方、EGFPの局在を調べた結果、Act2pが細胞後方の細胞肛門周辺に局在することが分かった。テトラヒメナの近縁種であるヨツヒメゾウリムシ(Paramecium tetraurelia)にもアクチン重合阻害耐性能があるかどうかをサイトカラシンDを用いて調べた。その結果、ヨツヒメゾウリムシにもアクチン重合阻害耐性能があることが明らかになった。
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