研究課題/領域番号 |
24657135
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
米田 悦啓 大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (80191667)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 核タンパク質 / 代謝酵素 / 細胞内局在 / メタボロミクス / importin |
研究概要 |
Transaldolase の核輸送メカニズムを調べるため、様々な欠失変異体の発現プラスミドを作成し培養細胞に発現させ、その細胞内局在を観察した。その結果、Transaldolaseの核局在化シグナル (NLS) として働き得る領域として、N末端部位から10アミノ酸残基 (MSGSPVKRQR) を同定した。さらに、GST pull-down assay およびin vitro transport assay を行った結果、Transaldolase がN末端のNLSを介してほとんどのサブタイプのimportin αと結合し、能動的に核へと運ばれていることが明らかになった。次に、Transaldolaseの核局在の生理的意義の解析のための実験系を確立する目的で、H24年度はTransaldolase をノックダウンしたNIH/3T3細胞を用いてHPLC/MSを用いたメタボロミクスによる細胞内代謝物の変動を解析した。その結果、コントロールの細胞に比べてTransaldolase をノックダウンした細胞内ではFructose 6-phosphate、Ribose 5-phosphate、Sedoheptulose 7-phosphate などの代謝物の蓄積が検出できた。今後Transaldolase をノックダウンした細胞に、核に局在する野生型 Transaldolaseおよび細胞質に局在する NLS 欠損型 Transaldolase をそれぞれ発現させ、メタボロミクス解析により細胞内局在の観点から Transaldolase の機能を明らかにしていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
H24年度は予定通り、Transaldolase の核輸送の分子メカニズムを解明し、さらに、HPLC/MSを用いたメタボロミクスによる細胞内代謝物の変動を指標とするTransaldolaseの核局在の生理的意義を明らかにするための実験系が確立できた。
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今後の研究の推進方策 |
H24年度に確立したHPLC/MSを用いたメタボロミクス解析系を用いて、Transaldolaseの細胞内局在の生理的意義を解析する。さらに、 Transaldolase以外の代謝酵素の細胞内局在の生理的意義の解明にも着手する。
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次年度の研究費の使用計画 |
H25年度の研究を実施するにあたり、遺伝子工学試薬や一般試薬類などの消耗品費の出費が見込まれる。研究計画自体に大きな変更はなく、当初の研究計画の予定通り、進めてゆく予定である。
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