研究課題
平成24年度にATPセンサーが細胞外の細胞膜近傍でのATP濃度変化を検出できるかを検討するため、膜上に掲示されるように構築した発現ベクターをHeLa細胞へ一過的に発現させて機能を検討した。このベクターはATPセンサーをHeLa細胞の細胞膜直上へ局在させている事が確認された。更に、細胞外のATP濃度を0μM から192μMまで段階的に変化させると4μMから50μMまではATP濃度とFRET ratio値が比例関係である事が示された。更に高濃度ATPを添加すると約10秒後にはFRET ratioの変化を観察した。この事より4μMから50μMまでのATP量の変化を定量的かつ数秒以下で測定できるシステムを構築できたことを確認した。このATPセンサーで細胞外の細胞膜近傍で発現するように設計した形でターゲティングベクターを作製した後に、ES細胞を用いてターゲティングを行い、ターゲッティングされたES細胞を得た。このES細胞を用いてアグリゲーション法にてキメラマウスを作成した。ATPセンサーはマウスROSA26領域にノックインする形でマウスを作出した。マウスの受精後16日目のマウス胚からMEF細胞を樹立して、ノックインしたATPセンサーの細胞内における局在と機能を確認した。その結果、MEF細胞では細胞外以外でもATPセンターが局在している事が判明した。現在、異なる設計で再度マウスを作出している。
すべて 2014
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 産業財産権 (1件)
Nature Communications
巻: 5 ページ: 3678
10.1038/ncomms4678