研究課題
本研究の目的は、イモリが持つ顕著な再生能力を分子遺伝学の手法で解析し、その機構を解明し得る実験システムの確立にある。そのシステムを利用すれば、イモリの再生能力の分子背景を明らかにする強力なツールとなるだけでなく、広く他分野への応用が期待できる。さらに、マウスとイモリに対して同様の遺伝子操作を施し、その影響を直接的に比較することも可能になる。その為に、これまで使われてきた日本産アカハライモリに変えて、大量繁殖が可能なイベリアトゲイモリを導入して、研究を推進してきた。分子遺伝学を可能とする再生実験システムの整備に向けて、平成25年度に計画・実施した研究項目のうち、コンディショナノックアウト法の確立については、イモリの遺伝子破壊の方法としてTALEN法が極めて有効であること、それを用いることで、コンディショナノックアウトに不可欠なloxP組替え配列をイモリゲノムに効率よく挿入できることを解明、論文発表した。平成24年度に作成した心筋細胞特異的Cre-loxP組替えイモリの成果と合わせ、本研究の目的の一つであるである、コンディショナノックアウトイモリ作製法の確立を達成した。現在は、心臓再生に重要であると予想される候補遺伝子のコンディショナノックアウト系統の作製を行っている。人工単為発生と純系イモリ系統の樹立については、単為生殖の誘起処理に重要となる、人工受精の条件の改良を行った。これに加えて、性成熟までに要する期間の短縮と姉妹間の人工交配が順調に進んだ結果、遺伝的均一性の一つの目安である近交系グループを2系統樹立することができた。平成26年度以降もこれらのイモリの交配を継続して、より遺伝的均一性の高い純系統の確立を目指す。
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