研究課題
平成25年度は以下の研究を行った。1)人工ヌクレアーゼとしてTALENシステムを導入し、その効率的作製方法を確立した。この方法を用いて作製したTALENを利用して、線虫、ショウジョウバエ、ウニ、ホヤ、カエル、イモリ、マウス、ラットにおける標的遺伝子破壊を成功させた。これらの成果をまとめ、日本発生生物学会の機関誌へ投稿し、ゲノム編集の特集号に掲載された。2)哺乳類でのゲノム編集の効率化を図るために、高活性型のTALEN(Platinum TALEN)の開発を行なった。このTALENを用いることによって、従来変異導入効率が低かった哺乳類において高頻度に変異導入ができることを示した。3)カエルにおいて、2組のPlatinum TALENを用いて、2つの遺伝子を同時に破壊することに成功した。4)第3世代のゲノム編集ツールであるCRISPR/Cas9システムを利用して、培養細胞およびマウスでの遺伝子破壊を試みた。培養細胞では複数のガイドRNAを発現するベクターシステムを確立し、1つのベクターをトランスフェクションするだけで複数の遺伝子を破壊できることを示した。5)ゲノム編集によって目的の遺伝子へレポーター遺伝子を挿入する方法を確立した。TALENによってTyr遺伝子を切断し、そこへCMVプロモーターでドライブされるGFP遺伝子を挿入し、アルビノにする一方でGFP蛍光を発するカエル胚の作製に成功した。
2: おおむね順調に進展している
人工ヌクレアーゼとしてZFNからTALENに変えることによって、作製効率が大幅に上昇した。その結果、様々な動物(ウニ、ホヤ、カエル、マウス、ラットなど)での遺伝子破壊の成功例を示すことができた。さらに、本年度開発した高活性型TALEN(Platinum TALEN)は、様々な動物での遺伝子破壊を実現するシステムとして内外から高く評価された。
遺伝子破壊に加えて、標的遺伝子へのノックインシステムを確立する。成功例は出ているものの、ノックイン効率は未だ低い状況であるので、来年度はノックインの効率化を目指す。
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