研究課題
Wnt分子はアミノ酸配列から親水性の性質をもつことが想定されるが、実際には強い疎水性を示す。この特異な性質は脂質修飾によるものであることが知られており、単純な拡散ではなく、別の様式を用いてWnt分子が標的細胞に到達する可能性を示唆されている。現在までにWnt分子の細胞外の局在決定は、結合タンパク質、レセプター、または細胞外マトリックスを構成するプロテオグリカンなどによって決定されることが知られており、また特殊な小胞体にトラップされて能動的に細胞内を移動し、細胞の片側から反対側へ輸送されるというトランスサイトーシスの様式でシグナルを伝搬する可能性も示されている。申請課題では、線虫C. elegansの非対称細胞分裂をモデルとして①3次元構築により生体内のWnt分子と細胞外マトリックスの経時的な局在変化を明らかにし、②Wnt分子の局在決定と非対称分裂に関与する翻訳後修飾の同定を目的とする。平成25年度は動態解析のために多色蛍光蛋白質による可視化と光転換型の蛍光物質Dendra及びDronpaを用いて可視化を行った。さらに高感度の検出を行うために、NeonGreenとmRuby2のコドン最適化を行った。コドン最適化を行った蛍光タンパク質を用いて融合タンパク質を作成して、それぞれ細胞外領域での局在を確認することができた。光転換型蛍光蛋白Dendraに関しては、それぞれのWNT分子に対して融合タンパク質を作成したが、現在までのところ、蛍光が観察されていない。
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