遺伝的にオスとメスを決める性決定の仕組みには、大きく2つが存在する。哺乳類に代表されるXX/XY型と鳥類に代表されるZZ/ZW型である。近年、2つのタイプは相互変換が可能であることがわかってきた。我が国に生息するツチガエルは2つのタイプが地域集団に別々に存在しており、性決定機構変換の仕組みを解明する上で、最適な研究材料と言える。本研究では、2つのタイプが接触した近畿地方において、性決定の仕組みがZW型に収束した集団を発見し、その変換の遺伝学的、進化学的仕組みを明らかにした。その際、既に遺伝子退化が始まっていたW染色体がX染色体と入れ替わり、新しいW染色体として若返る現象も明らかにした。
|