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2013 年度 実績報告書

爬虫類ミトコンドリアにおける遺伝子発現様式の多様性と進化

研究課題

研究課題/領域番号 24657163
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

熊澤 慶伯  名古屋市立大学, 大学院システム自然科学研究科, 教授 (60221941)

キーワードミトコンドリア / RNA / RNA-Seq / 次世代シーケンス / 爬虫類 / 遺伝子発現 / polyA
研究概要

本研究は、爬虫類を題材として、ミトコンドリアゲノム(mtDNA)における遺伝子発現様式の多様性と進化を従来にない新しいアプローチで探究することを目指している。
前年度に引き続き、5種の有鱗類の肝臓からRNAを抽出し、イルミナMiSeq次世代シーケンサーを用いてRNA-Seq解析を行った。100-200bpのcDNA断片readが1種あたり2000-4000万取得された。当該種のmtDNA塩基配列を用いたBLAST解析により、この中に4-11%のmtDNA由来readが含まれることを確認した。それらを各タンパク質遺伝子ごとに区分し、遺伝子の鎖長を考慮したうえでのread数の相対比を求めたところ、シトクロムオキシダーゼ(CO)のサブユニット遺伝子(とりわけCOI遺伝子)及びシトクロームb遺伝子が比較的高い値を示したのに対し、NADHデヒドロゲナーゼのサブユニット遺伝子は概して低い値を示した。これらの遺伝子はmtDNA上の様々な位置にコードされているにもかかわらず、同一のタンパク質複合体を構成するサブユニット遺伝子同士が、何らかのメカニズムにより協調的に発現制御されていることが示唆された。
一方、前年度の結果を踏まえ、polyA付加によって終止コドンが出現するmRNAについて、polyA付加の正確性に関する検証実験を行った。ニホンカナヘビのCOII mRNAにpolyAが付加する際に、直前のUが欠落したと思われるreadが比較的高い比率(2%)で検出されていた問題について、3’RACEを用いた検証実験を行ったところ、やはり同様の比率で欠落が生じていることが示唆された。従って、RNA-Seqでの観察結果は細胞内の現象を基本的に反映しているものと判断された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Molecular phylogeny and biogeography of air sac catfishes of the Heteropneustes fossilis species complex (Siluriformes: Heteropneustidae)2014

    • 著者名/発表者名
      Ratmuangkhwang, S., Musikasinthorn, P., Kumazawa, Y.
    • 雑誌名

      Molecular Phylogenetics and Evolution

      巻: ** ページ: in press

    • DOI

      10.1016/j.ympev.2014.05.009

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 脊椎動物嗅覚受容体遺伝子ファミリーの進化研究における次世代シーケンサーの活用2013

    • 著者名/発表者名
      橋口康之、熊澤慶伯
    • 雑誌名

      生物科学

      巻: 64 ページ: 131-140

    • URL

      http://www.ruralnet.or.jp/seibutsu/064_03.htm

    • 査読あり
  • [学会発表] RNA-Seqデータから脊椎動物の分子系統解析に繋げるためのパイプラインの構築2013

    • 著者名/発表者名
      栗崎政希、Pierre Jonniaux、松原和純、熊澤慶伯
    • 学会等名
      日本進化学会第15回大会
    • 発表場所
      筑波大学
    • 年月日
      20130830-20130830
  • [学会発表] 爬虫類ミトコンドリアRNAの構造多様性の網羅的探索2013

    • 著者名/発表者名
      孫ぎょう、栗崎正希、熊澤慶伯
    • 学会等名
      日本進化学会第15回大会
    • 発表場所
      筑波大学
    • 年月日
      20130829-20130829

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公開日: 2015-05-28  

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