光の非視覚的な生理作用は網膜メラノプシン神経節細胞に由来して青色光に強く反応するが、光の心理作用の影響も受けている可能性がある。本研究は色光の影響を複数の生理指標と心理指標を用いて調べ、両者の関連性を明らかにすることを目的とした。その結果、青色光の非視覚的な影響を受けやすい指標(瞳孔の対光反応とメラトニン分泌)と赤色光の視覚的な作用を受けやすい指標(心拍数)が存在することが分かった。心拍数は色光の印象評価と相関があったが、メラトニン分泌と印象評価の間には有意な相関はなかった。以上の結果から、光の生理反応には指標に依存して非視覚経路と視覚経路を介した作用が相互に関連しあっていることが示唆された。
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