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2012 年度 実施状況報告書

メラノプシン神経節細胞を独立刺激可能なディスプレイの開発

研究課題

研究課題/領域番号 24657177
研究機関鹿児島大学

研究代表者

辻村 誠一  鹿児島大学, 理工学研究科, 准教授 (10381154)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワード概日リズム / メラノプシン神経節細胞
研究概要

平成24年度では以下の項目について実施した。
1.多原色刺激装置を高輝度化した。
従来、数百のLEDを発光させていたが、新システムでは、コンデンサ光学系において効率的に集光、および伝達が行えるようにシステムを改良した。DLPプロジェクタの光源として、効率的に伝達するために大電流の高輝度LEDを組み込んだ。光源の輝度については3月に英国マンチェスター大学で実際に必要な照度に達しているかを確認した。
2.多原色刺激装置をDLPプロジェクタの光源として組み込むことに成功した。プロジェクタのコントロール基板からの信号を制御信号として、マイクロコンピュータを用いて多原色刺激装置を概ね制御することができた。一方でDLPプロジェクターの仕様がテキサスインストルメンツから公開されていないこともあり、現時点ではマイクロコンピュータ、PC、DLPプロジェクターが完全に制御できているとはいえない。実験のデザインを新たに考えることによって克服していくつもりである。
3.多原色光源と組み合わせたDLPプロジェクタの時間的、空間的特性を調べた。システムの改良によって期待通り高い時間解像度を得ることができた。一方で、空間的な均一性は、予想していたよりも低いことがわかった。原因を調べた結果、4原色のカップリングに用いているダイクロイックミラーで生じていることがわかった。現在、ホログラフィックディフーザ―等を用いて、輝度は落とさずに空間的な均一性を達成するように改良を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

申請者は、先行研究においてメラノプシン神経節細胞のみを独立に刺激可能な多原色刺激装置を世界で初めて開発した。しかしながら、開発した装置は空間的に一様な刺激しか提示できなかった。前述のように、先に開発した多原色刺激装置を改良し、適切なプロジェクタと光学的に組み合わせることには概ね成功したと言える。今後は、時間的な変調と空間的な変調をも可能にする装置の完成に向けてさらに装置に改良を加えていく予定である。

今後の研究の推進方策

今後は以下の点について重点的に進める予定である。
1.多原色刺激装置の高輝度化 システムを改良し、DLPプロジェクタの光源として、効率的に伝達するために大電流の高輝度LEDを組み込んだ。光源の輝度については3月に英国マンチェスター大学で実際に必要な照度に達しているかを確認した。その結果、現在の輝度でも実験は可能であるが、輝度がさらに2倍程度あると実験条件の自由度が増えることがわかった。後述の空間的な均一性を含め光学系を改良することによってこの問題を解決していく。
2.多原色刺激装置をDLPプロジェクタの光源として組み込むことに成功した。プロジェクタのコントロール基板からの信号を制御信号として、マイクロコンピュータを用いて多原色刺激装置を概ね制御することができた。しかしながら、現時点ではマイクロコンピュータ、PC、DLPプロジェクターが完全に制御できているとはいえない。実験のデザインを新たに考えることによって克服していくつもりである。
3.多原色光源と組み合わせたDLPプロジェクタの時間的、空間的特性を調べた。前述のように空間的な均一性は、予想していたよりも低いことがわかった。原因を調べた結果、4原色のカップリングに用いているダイクロイックミラーで生じていることがわかったので、ホログラフィックディフーザ―等を用いて、輝度は落とさずに空間的な均一性を達成するように改良を進めている。

次年度の研究費の使用計画

該当なし。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Melanopsin-Based Brightness Discrimination in Mice and Humans.2012

    • 著者名/発表者名
      Brown, T.M.*, Tsujimura, S.*, Allen, A.E., Wynne, J., Bedford, R., Vickery, G., Vugler, A., and Lucas, R.J.
    • 雑誌名

      Current Biology

      巻: 22, ページ: 1134-1141.

    • DOI

      10.1016/j.cub.2012.04.039

    • 査読あり
  • [学会発表] Rod and Cone pathways converging on the central targets of melanopsin ganglion cells2012

    • 著者名/発表者名
      T. M. Brown, A. E. Allen, S. Tsujimura, R. J. Lucas
    • 学会等名
      Society for neuroscience
    • 発表場所
      Washington,DC, USA
    • 年月日
      20121112-20121116
  • [学会発表] The contribution of the rod/melanopsin driven ganglion cells to the dynamic pupil light reflex response2012

    • 著者名/発表者名
      W. Bi, S. Tsujimura, G. T. Plant, J. L. Barbur
    • 学会等名
      European Association for Vision and Eye Research
    • 発表場所
      Nice, France
    • 年月日
      20121010-20121013
  • [学会発表] 光と睡眠―メラノプシンの発見から最近の照明技術の動向まで:メラノプシン神経節細胞の機能2012

    • 著者名/発表者名
      辻村 誠一
    • 学会等名
      日本睡眠学会 第37回定期学術集会:シンポジウムS28-4
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      20120628-20120630
    • 招待講演

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公開日: 2014-07-24  

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