研究課題
平成24年度では以下の項目について実施した。1.多原色刺激装置を高輝度化した。従来、数百のLEDを発光させていたが、新システムでは、コンデンサ光学系において効率的に集光、および伝達が行えるようにシステムを改良した。DLPプロジェクタの光源として、効率的に伝達するために大電流の高輝度LEDを組み込んだ。光源の輝度については3月に英国マンチェスター大学で実際に必要な照度に達しているかを確認した。2.多原色刺激装置をDLPプロジェクタの光源として組み込むことに成功した。プロジェクタのコントロール基板からの信号を制御信号として、マイクロコンピュータを用いて多原色刺激装置を概ね制御することができた。一方でDLPプロジェクターの仕様がテキサスインストルメンツから公開されていないこともあり、現時点ではマイクロコンピュータ、PC、DLPプロジェクターが完全に制御できているとはいえない。実験のデザインを新たに考えることによって克服していくつもりである。3.多原色光源と組み合わせたDLPプロジェクタの時間的、空間的特性を調べた。システムの改良によって期待通り高い時間解像度を得ることができた。一方で、空間的な均一性は、予想していたよりも低いことがわかった。原因を調べた結果、4原色のカップリングに用いているダイクロイックミラーで生じていることがわかった。現在、ホログラフィックディフーザ―等を用いて、輝度は落とさずに空間的な均一性を達成するように改良を進めている。
2: おおむね順調に進展している
申請者は、先行研究においてメラノプシン神経節細胞のみを独立に刺激可能な多原色刺激装置を世界で初めて開発した。しかしながら、開発した装置は空間的に一様な刺激しか提示できなかった。前述のように、先に開発した多原色刺激装置を改良し、適切なプロジェクタと光学的に組み合わせることには概ね成功したと言える。今後は、時間的な変調と空間的な変調をも可能にする装置の完成に向けてさらに装置に改良を加えていく予定である。
今後は以下の点について重点的に進める予定である。1.多原色刺激装置の高輝度化 システムを改良し、DLPプロジェクタの光源として、効率的に伝達するために大電流の高輝度LEDを組み込んだ。光源の輝度については3月に英国マンチェスター大学で実際に必要な照度に達しているかを確認した。その結果、現在の輝度でも実験は可能であるが、輝度がさらに2倍程度あると実験条件の自由度が増えることがわかった。後述の空間的な均一性を含め光学系を改良することによってこの問題を解決していく。2.多原色刺激装置をDLPプロジェクタの光源として組み込むことに成功した。プロジェクタのコントロール基板からの信号を制御信号として、マイクロコンピュータを用いて多原色刺激装置を概ね制御することができた。しかしながら、現時点ではマイクロコンピュータ、PC、DLPプロジェクターが完全に制御できているとはいえない。実験のデザインを新たに考えることによって克服していくつもりである。3.多原色光源と組み合わせたDLPプロジェクタの時間的、空間的特性を調べた。前述のように空間的な均一性は、予想していたよりも低いことがわかった。原因を調べた結果、4原色のカップリングに用いているダイクロイックミラーで生じていることがわかったので、ホログラフィックディフーザ―等を用いて、輝度は落とさずに空間的な均一性を達成するように改良を進めている。
該当なし。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)
Current Biology
巻: 22, ページ: 1134-1141.
10.1016/j.cub.2012.04.039