夏季の日常生活下の温熱的生活環境(滞在温湿度,クーラー使用状況など)調査で,70・80歳代が20歳代より高温多湿の屋内に滞在していた.これは,屋内での短いクーラー使用時間またはクーラー使用時の高い屋内温度に起因した.しかし,屋内の温度湿度にはいずれの年齢階層でも性差はみられなかった.屋内の温度湿度において同様の年齢差が 7~9月に観察された.高齢者の温熱的生活環境は自律性体温調節能力(皮膚温度感受性や発汗能力)のみで決定されていないことも見出された.これらの結果から,熱中症を予防するために,高齢者には部屋に温度計を置き,室内温度をこまめにチェックし,それを28℃以下に保つように提案したい.
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